なめがた美味しい素材#12:ゴボウ

burdock

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α. 歴史

ゴボウの原産地はユーラシア大陸の北部といわれ、ヨーロッパからシベリア、中国大陸にかけて広範囲にわたって野生種が分布しています。日本へ渡った年代は明らかではありませんが、縄文時代には薬草として中国から伝えられていたといわれています。平安時代には食用にされて、平安時代の末期には宮廷の献立に使われていたそうです。江戸時代には品種改良が進み、広く普及しました。ゴボウを食用としているのは、日本と台湾くらいで、中国では漢方薬として使われています。

β. 変色の成分の正体は・・・

ゴボウを切ると色が変わることは、よく知られていると思います。変色を防ぐため、また、えぐみや渋みなどのアク成分を除くために水に浸します。その変色やアクの主な原因物質はクロロゲン酸というポリフェノール成分です。ポリフェノールは特に皮の部分に多く含まれています。このポリフェノール成分は高い抗酸化能をもっていますが、酵素のはたらきによって酸化されて、効果が失われてしまいます。高い抗酸化能を維持させるためには調理する前に一度電子レンジ等で加熱すると良いという実験結果が得られています。これは、加熱することにより酸化酵素のはたらきを抑えられるからです。
また、クロロゲン酸は中性脂肪の蓄積や糖尿病の予防に効果的だといわれていますが水にさらすと成分が流出してしまいます。栄養成分の損失を極力少なくするなら、皮はむくのではなく、たわしや包丁の背の部分で軽くこそぐようにし、水に浸さずに調理することをおすすめします。ただし、白めに仕上げたい場合はしっかりと水に浸す必要があります。

γ. ゴボウといえば食物繊維!

食物繊維が豊富な根菜類を代表するゴボウ。食物繊維は、大腸がん、糖尿病、虚血性心疾患を予防する効果のある重要な成分です。このゴボウに含まれる食物繊維は水に溶ける水溶性食物繊維に分類され、胃腸内をゆっくり移動するので食べすぎを防止し、食後の急な血糖値の上昇を抑えるといった特徴があります。食物繊維というのは総称で、実際にゴボウに多く含まれる食物繊維の成分とは、フラクトース(果糖)が多数結合したイヌリンとよばれる多糖です。イヌリンは腸内有用細菌であるビフィズス菌の増殖を促進したり、コレステロール低下、難う蝕原性(虫歯になりにくい)などの生理効果を持つことで注目を浴びています。
また、ゴボウを低温で保存しておく、あるいは調理前に温水(40℃)で加熱することによりイヌリンの分解が進み甘味成分となるフラクトオリゴ糖が増えるそうです。素材の甘味を生かして砂糖の量を減らすことができればよりヘルシーな料理ができますね。

 

ゴボウの機能性に関する文献
・ 抗酸化能を高める和食献立の食事設計法の提案、佐藤久美、 粟津原理恵、原田和樹、長尾慶子、日本調理科学会誌 Vol.14,No.5 ,p323-330
・ごぼうの抗酸化成分と加熱による保護、村上崇幸、井上淳詞、日本調理科学会誌
Vol. 46 , No. 6 ,p. 405-406
・貯蔵および加熱処理に伴うゴボウのイヌリンの変化、加藤陽治、 藤田美香、 浅利宇多子、弘前大学教育学部紀要. 69, p131-135

 

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